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創作作品名字考「XXXHOLiC」

「XXXHOLiC」(ホリック)は名字の分かる主要登場人物が4人で、その名字を並べるとCLAMP作品としては独特の傾向を持っていると考えています。

主人公:四月一日君尋(わたぬき きみひろ)、四月一日のクラスメート:九軒ひまわり(くのぎ ひまわり)、四月一日のケンカ友達:百目鬼静(どうめき しずか)…この三人の名字は「そんな名字本当にあるのか?」と思われる方が多数いると思いますが、実はいずれもしっかりと実在する名字だったりします。
中でも「四月一日」は名字好きの間では知らぬものの無い有名な珍姓で、旧暦の4月1日には冬用の着物の綿を抜いて夏用の着物に仕立て直す習慣があったことから「わたぬき」の読みが生まれました。同じ由来の「四月朔日」と言う名字も「わたぬき」ですが、こちらの方は「つぼみ」「わたぬぎ」と言う読みもあるようです。
「九軒」もかなり珍しいです。読みの由来等は分かりませんでした。
「百目鬼」も前2者ほどではないもののどちらかと言えば珍しい名字ですが、関東地方や東北地方に何か所か地名としても見られます。「どうめき」以外に「どめき」と言う読みもあります。
「どうめき」の読みは「轟き」と同語源で川の流れの音や滝の音を表すものです。また、漢字の方は平将門の乱を平定した藤原秀郷にまつわる伝説(秀郷に退治された悪鬼の名として伝わるが、平将門の軍勢のことを表しているのかもしれない)にちなむもののようです。

さて、主要登場人物で名字の設定のあるのはあと2人。そのうちの1人、不思議な店の女店主の壱原侑子(いちはら ゆうこ)の名字「壱原」は他の3人の名字と比べると割と普通っぽい印象を与えるのですが、調べてみるとどうやら実在しない。
そしてもう1人、小学生霊能師として登場した五月七日小羽(つゆり こはね)。この「五月七日」という名字、他の創作作品でも使われている例のある名字ですが…実は○月○日系の名字で実在が確認できているのは四月一日と八月一日のみです。五月七日も含むその他のものについては、かつてあったのに絶えたのか元々文献上のみの存在なのかははっきりしませんが、いずれも実在していない模様です。

名字読み電話帳記載の有無作品名
壱原いちはら×XXXHOLiC
九軒くのぎXXXHOLiC
五月七日つゆり×XXXHOLiC
百目鬼どうめきXXXHOLiC
四月一日わたぬきXXXHOLiC

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