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沖縄本島のロータリー(1)
名護市・ひんぷんガジュマル(ロータリー)訪問記

写真撮影・平成18年6月
記事作成・平成18年7月
「ロータリー」コレクションの協賛企画です。

筆者は平成18年6月、突然思い立って沖縄に行って来ました。そもそも「沖縄に行くこと」自体が目的だったため、沖縄に着いてからどこに行ってくるか、と言うのは行く直前まで決めていませんでした。最初は「とりあえず那覇市内をウロウロして、南部方面は定期観光バスに乗れば楽かな?」とか考えていたのですが、ロータリーコレクションを見ているうちに、「2泊3日あれば、沖縄本島にある4つのロータリー全部廻れるぞ!?」と言うことに気づき(爆)、本当にロータリーを主な目的地としました。その他の主力な目的地は神社と寺・・・普通の人に話したら「何しに沖縄に行ったの?」と言われそうな旅行ですね(^^;;;
で、大まかに1日目は「那覇到着後すぐにレンタカーを借りて名護に向かう。名護泊」、2日目は「名護から嘉手納経由で糸満に向かったあと、那覇に戻ってレンタカー返却。那覇泊」、「モノレールを使って午前中那覇市内をウロウロし、午後の飛行機で帰る」と言う日程になりました。ちなみに2日目に名護のひんぷんガジュマル→嘉手納ロータリー→糸満ロータリー、3日目に泉崎ロータリーに行ってます。
レポートは回った順番でお送りします。

ひんぷんガジュマル

(写真1)ひんぷんガジュマル(北側から撮影)

(写真1)ひんぷんガジュマル(北側から撮影)(撮影ポイント)
道路の真ん中に「ひんぷんガジュマル」と呼ばれるガジュマルの大木が生えており、その木を中心として道路がロータリー状になっています。交差点名は分かりませんでした。
このひんぷんガジュマルを挟んで南北に走っている県道沿いは商店街となっており、市の中心的な通り…のはずなのですがその割には車通りが少ない。実はこの通りはバス通りとなっており、自家用車は並行して走る他の通りに流れているようです。(でも前日の夜に夕食を食べるためにこの通りを通った時もそんなに人通りは多くなかったので、全国各地の地方都市と同様に名護も人の流れ自体が郊外に移っている、と言うことかもしれません)
真ん中に写っているハイラックスサーフ?は北向き(写真左手)の道へと曲がろうとしている要です。ところで、ロータリー手前に「転回禁止」の標識があるのはなぜだろう?

(写真2)国指定天然記念物「名護のひんぷんガジュマル」の案内板

(写真2)国指定天然記念物「名護のひんぷんガジュマル」の案内板。(撮影ポイント)
ロータリー北西側にひんぷんガジュマルの説明板が設置されていました。(写真1の右側にもチラッと写っています)
それによるとひんぷんガジュマルは推定樹齢300年前後、樹高19m、幹周囲10m、樹幹の直径30m。堂々たる大木です。
この木の横には1750年に具志頭親方蔡温が運河開削論・王府移遷論議を否定するために建てた「三府龍脈碑」があります。古くよりこの地が名護の中心となる場所だったようです。その石碑が「ひんぷん」(屋敷の正門と母屋の間に目隠しとして作られる屏風状の塀)に似ていることから「ヒンプンシー」と呼ばれるようになり、そこから石碑の横に立つガジュマルもひんぷんガジュマルと呼ばれるようになったとか。
でも位置的に町の入り口に当たる事から考えると、名護の町の「ひんぷん」であると言うことで名前が付いたのかもしれません。

(写真3・上)ひんぷんガジュマル(西側から撮影) (写真3・上)ひんぷんガジュマル(東側から撮影)

(写真3)上・ひんぷんガジュマル(西側から撮影)(撮影ポイント)、下・同(東側から撮影)(撮影ポイント)
東西方向の道からの写真です。横断歩道の縞の本数でも分かると思いますが、この東西方向の道路は1車線分の幅しかありません。実は西から東方向への一方通行なのです。と言うことは、この道を通り抜ける車はひんぷんガジュマルの北側を回ることはあっても南側を回ることはありません。でも、これは写真1の転回禁止の標識とは直接関係しなさそうです。
ポイントはガジュマルを取り巻くロータリーの形。南北方向が長い長楕円形となっており、南側は川の方までせり出しています。となると、もし南側で展開しようとすると橋の上でぐるっと回ることになり、それが都合悪いので北側に転回禁止の標識が設置されたのではないか、と考えられました。

(写真4)ひんぷんガジュマル(南側から撮影)

(写真4)ひんぷんガジュマル(南側から撮影)(撮影ポイント)
こちら側は「ここで回っちゃダメさ〜と主張するような形になっています。ロータリーから続いているタイルの部分はおそらく橋の長さいっぱいいっぱいに作られているものと思われます(私は完全に橋を渡りきった場所に立ってます)なお、こちら側に「転回禁止」の標識があったかは確認しませんでした。
赤いつっかい棒の中に見えるのが三府龍脈碑。でも実は写真を撮っている時には石碑があることに気が付いてませんでした(汗)。(あとから調べたら、この石碑は戦後に再建されたものとのことでした)
さて、以上のように「樹形の関係で超楕円形」「片方の端が橋の上にかかっており、少なくともそちら側は転回禁止となっている」と少々特殊な部分はあるものの、交差点が中心部分が占められており、ロータリーのまわりを回らないと直進できない道がある…と言うことではおおむね一般的なロータリーに分類して良いだろうと思われました。

がじゅまる願多

写真5を撮影した際、ロータリーの橋に立っている人型の看板が目に留まりました。飛び出し坊やか?と期待したのですが・・・

(写真5)写真4中の人型看板のアップ。

(写真5)写真4中の人型看板のアップ(撮影ポイントは写真4と同じ)。
書かれていたのは交通標語ではなく「このガジュマルが願い叶う木です」。木の紹介のための看板と言うことで飛び出し坊やには該当しませんです、ハイ。
よく見ると「がんた」という名札が付いてますね。このキャラクター、ひんぷんガジュマルに住む妖怪キジムナーをイメージして作られたもので、「がじゅまる願多(がんた)」と言うそうです。

(写真6)橋のたもとにあった「がじゅまる願多」の看板。

(写真6)橋のたもとにあった「がじゅまる願多」の看板。(撮影ポイント)
写真5を撮影した位置から見て道路の反対側に名護市街地案内図があり、その傍らにも「がじゅまる願多」の看板が立ってました。(ちなみに、写真1の左手に土産物屋の前にいる願多が写っていますし、写真はありませんがほかの店の前にもいるのを見ました。多分まだまだあるのでしょう。)
なお、左手に写っている犬はがんたの子分と言うことでしたが、名前を忘れてしまいました・・・

おまけ・夜のひんぷんガジュマルは迫力

(写真7)夜のひんぷんガジュマル。

(写真7)おまけ写真・夜のひんぷんガジュマル。(撮影ポイントは写真1とほぼ同じ)
実は宿にチェックインした直後にダメもとで一度写真を撮りに行っています。しかしこの時すでに7時半で、四方から写真を写して回っている間にどんどん暗くなっていってしまったのでした。
この写真は夕方の写真の中で一番明るめに撮れたもの。回りには街灯も配置され明るいのですが、逆にその街灯のためにひんぷんガジュマルはシルエットのみが夜の町の景色に浮かび上がることとなり、日中とは違う圧倒感を感じました。
(そういえば、夜の写真を撮ってる最中にロータリーの南側でグルッと転回していったタクシーがいたんだよなぁ・・・)