夢香山物見櫓地名コレクション訪問記>港区・愛宕神社の男坂と女坂訪問記

港区・愛宕神社の男坂と女坂訪問記

写真撮影・平成18年2月、平成19年3月
記事作成・平成27年9月
「男と女」コレクションの協賛企画です。

東京23区内は平坦な地形のようで結構でこぼこがあり、高いところにある寺社が多くあります。その中にはかなり急な石段を登る必要なところも多々見られます。
ここでは、特に石段が急なことで有名な、東京都港区愛宕にある愛宕神社の「男坂」「女坂」(別名「愛宕男坂」「愛宕女坂」をご紹介します。

下から見た「男坂」と「女坂」(1回目の訪問)

(写真1)愛宕神社の男坂(出世の石段)(下から撮影)

(写真1)愛宕神社の男坂(下から撮影)。(撮影ポイント)
1回目の訪問時は、真っ直ぐ参道に向かいました。そして、いざ男坂の下までたどり着いた瞬間、その急さに唖然。両サイドに手摺が設けられているだけで無く、まん中に鎖が張られている辺りも登るのが大変である事を表しているようです。
ちなみに、愛宕神社の公式HPを見ると、こちらの石段は「出世の石段」とも呼ばれているとあります。江戸時代、三代将軍家光の頃、この石段を馬で昇り降りして全国に馬術の名人として名が知られることになった讃岐丸亀藩士・曲垣兵九郎に由来する呼び名です。
こんな急坂を馬で登ったなんて信じられない、と思ってしまいますが、その後も明治・大正・昭和にそれぞれ1人ずつ馬でこの石段を昇った人がいます。特に昭和に成功した方はテレビ番組の企画で挑戦した馬術スタントマンで、管理人はその映像を見たことがあります。

(写真2)愛宕神社の女坂(下から撮影)

(写真2)湯島天神の女坂(下から撮影)。(撮影ポイントは写真1と大体同じ)
一方の女坂ですが…こっちも十分急だよーう。
まぁ、確かに男坂よりは角度が若干緩めで手摺も片側にしか無いですし、カーブも描いている点でも「女坂」ではありますが…でも急なものは急ですってば。

(写真3)愛宕神社の拝殿

(写真3)愛宕神社の拝殿。(撮影ポイント)
男坂と女坂、どっちを登っても急なことには変わりが無く、悩んだ挙げ句に男坂を昇りました。
登った先に有る愛宕神社は徳川家康が創建した神社で、火防の神として広く崇敬を集めています。拝殿は思ったよりもこぢんまりしている感じでした。
この時は、次の用事の都合で拝殿西側の石段から下に降りており、男坂・女坂とも上からの写真は撮りませんでした。

上から見た「男坂」と「女坂」(2回目の訪問)

さて、1回目の訪問は下からの写真のみとなってしま今した。上からの写真を撮る機会に恵まれたのは約1年後。(そうそう遠出もできないので)

(写真4)愛宕山に登るエレベーター付近

(写真4)愛宕山に登るエレベーター付近。(撮影ポイント)
男坂も女坂も昇るのはキツいので、今回はエレベーターで愛宕山に昇ることに。男坂からちょっと南に行ったところにあるトンネルの脇にあります…エレベーターそのものの写真を撮ってなかった。
ちなみに、こちらにも階段があります。

(写真5)愛宕神社とNHK放送博物館の間

(写真5)愛宕神社とNHK放送博物館の間。(撮影ポイント)
エレベーターで昇ってくると、愛宕神社とNHK放送会館の間ぐらいに出ます。写真奥の白い建物がNHK放送博物館、日本初のラジオ局・JOAKの仮放送局が置かれた場所です。その手前の植え込みからこっちはすべて愛宕神社の境内。

(写真6)愛宕神社の参道

(写真6)愛宕神社の参道。(撮影ポイント)
拝殿と男坂の間には丹塗りの門があります。

(写真7)愛宕神社の一の鳥居

(写真7)愛宕神社の一の鳥居(撮影ポイント写真6と同じ)
一の鳥居の下が愛宕男坂。

(写真8)愛宕神社の男坂(上から撮影)

(写真8)愛宕神社の男坂(上から撮影)。(撮影ポイント)
えーと…石段が無ければガケですよね、これ。多分、登るのよりも降りる方がキツそう。
ましてや馬で降りるのは無理、としか思えないのですが、前述の曲垣兵九郎は「馬で男坂を昇り、手折った愛宕神社の梅を手に馬で男坂を降りた」と伝えられていますし、大正時代に上りに成功した方も降りも成功している都の記録が残っています(45分かけて降りたらしい)。

(写真9)愛宕神社の境内の池

(写真9)愛宕神社の境内の池。(撮影ポイント)
今度は愛宕女坂へ向かいます。この池の向こう側に降り口があります。

(写真10)御料理菜根

(写真10)御料理菜根。(撮影ポイント)
愛宕女坂の手前には料理屋がありました。写真奥側に延びる通路の向こうにも石段があるようですが、女坂はこの写真の右手側にあります。

(写真11)愛宕神社の女坂(上から撮影)

(写真11)愛宕神社の女坂(上から撮影)。(撮影ポイント)
女坂の上に来ました。こちらも、石段が無ければとても上り下りできるような角度では無いような。ただ、途中に踊り場もありますし、手すりもあるにはあるので、男坂よりは昇り降りしやすいようにはなっています。

(写真12)愛宕神社の大鳥居と男坂・女坂全景

(写真12)愛宕神社の大鳥居と男坂・女坂全景。(撮影ポイント)
大鳥居は銅製かな?男坂・女坂下の参道脇は駐車場になっていました。これは町中だとやむを得ないところかもしれません。

と言うことで愛宕神社の男坂と女坂、それぞれ上から見たところと下から見たところをご紹介しました。
この愛宕神社は23区内にある自然の山としては最も高い山、とされている(注、最高地点では無い)ので、参道が急なのもさもありなん…なのですが、好んで一番急なところにわざわざ男坂と女坂を作ったような気もしないでも無いです。